夢のトイレ45

夢のトイレ45  そしてボクは今、国道を函館方面に向かって八雲市街へと入ってきた。片側2車線の広い道路の両側には、飲食店やスーパーなどが並び始めた。しかし開いている店が見つからない。次にボクが入るトイレも、きっと彼らは計画に組み込んでいるはず。ならば必ずどこかにそれはある。でも待てよ、ボクがこのままトイレに入らなかったらどうなるか・・・  彼らはボクをトイレにおびき寄せては、様々なイタズラでボクを翻弄してきた。それを見て楽しむのが彼らの目的なのだ。ならば、この先ボクがトイレに入ることをしなければどうなる? 彼らの計画は狂うことになるだろう。彼らの計画に背くことで、きっとボクは自由になれるはずだ。それに気付いたボクは、次の交差点で車を減速させた。そして、すぐに車をUターンさせ、再び函館とは逆方向に国道を走り始めた。 (つづく)