夢のトイレ36

夢のトイレ36  白い車など世の中にはたくさんある。しかし見間違えることはなかった。あのフロントガラスのところにぶら下がっているお守りと薄い水色のシートカバーは、すでに何度も目にしている。でもどうやって? あの二人は高速には乗らずに、そのまま国道を直進していったはず。どんなに飛ばしたとしても、高速道路をノンストップで走ってきたボクを追い越すことなど無理だろう。でも、今どきお目にかかることが少なくなったあのシートカバーは、それが可能であったと言っている。車には誰も乗っていない。辺りを見渡すが人の姿はない。ボクは車を止めることなく、そのままサービスエリアの出口へ向けた。そして目いっぱいアクセルを踏み込み加速レーンから本線へと合流した。再び耳の奥で大きく鼓動が鳴り始めていた。 (つづく)