夢のトイレ5

夢のトイレ5  国道に入っても走っている車は少なかった。JR五稜郭駅前を通過していると、進行方向右側の上空を着陸態勢に入ったAIR DOの旅客機が通過していった。いや、待てよ。8時前に函館空港に着陸する飛行機なんかあったかな・・・ いや、きっとあるのだ。実際こうして着陸しようとしているのだから。この旅から帰ったらネットで調べてみよう。いや、それも必要はない。調べずとも、こうして実際に飛んでいる以上、時刻表に記載されているのは自明なのだから。ボクは独り問答をしている自分に気がつき少しはにかんだ。それから数分後、遠方に函館新道の入口を示す緑の道路案内標識が見えてきた。そういえば、今回の旅は誰が考えたものなのだろう。早春の温泉宿、とても素敵なプランだ。でも、少なくともボクが考えたものではない。それから、今とても不安に思うことがある。ボクはこれから何処に向かえばいいのだろう。 (つづく)