SF超大作「続・大福」第15話

15話  「闇の取引」

 

まずボク達の世界、つまり21世紀に住む組織員が200年後、23世紀の未来へ「金」を転送する。といっても、ボク達の世界にはタイムマシーンなんてものはないので未来への転送は、ある銀行に「金」を預け入れるかたちをとる。そう、200年後までの長期預け入れだ。そうすると、200年が経過して未来の組織員がそれを銀行から引き出すことで無事に「金」を手にすることができるのだ。そして21世紀では、銀行に「金」を預け入れた途端、未来からドラッグが転送されてくる。

ここまで説明を聞いたとき、ボクは単純に、

「ドラッグが無事に未来から届いたら、その段階でさっき預け入れた「金」を引き出しちゃえばいいのに。」

といやらしい考えが閃いたが、そうすると未来の組織員は、「金」を受け取けとることができなくなり、ドラッグを転送することもしないだろうことに気が付いた。つまり、現在21世紀の組織員は、ドラッグを未来から確実に転送してもらうためには、決して銀行に預け入れた「金」に手を出してはいけないということなのだ。悪人ながらなかなかうまい取引方法を考え出したものだと感心した。

そこまで話して彼女はいったん話を中断した。

「信じる信じないは別だけど、この話があなたに関係してくるのはここから先。  あなたにも、 あなたの彼女にも、  そして私にもとても大きく関わってくること…   だから決して私はあなたを騙したり陥れたりする気はないから聞いてほしいの。たとえ信じられなくても。」

今聞いた話は信じてみたい気持ちはある。でもボクの持つ常識からは、あまりにもかけ離れているので、正直なところ信じることができない。ただ、“彼女”の事は不思議と信じられるような気がしていた。だから自然に頷くことができた。

しかしこの話の続きは、ここまで聞いた話以上に衝撃的で、到底受け入れられるものではなかった。

「えっ、 ボクはすでに死んでいる?」

 

(つづく)

 

えっ?  それはどういうことなのでしょう?  今きちんと生きている主人公の“ボク”が、死んでいると宣告されたようですけども…  

つまりこのお話は、幽霊とかゴーストとか、そっちの“SF ”なの?

ますますよく分からなくなってきたけど、お話は明日も続くのです。

さてさて、年明けからつまらない連載小説ばかり更新して肝心の「旅」とか「グルメ」とか、そういうこのページ本来の記事の更新が進んでいません(泣)“ネタ”はいくつかあるのです。でも、毎晩の晩酌が深みにはまることが多くて編集作業がはかどらないのです。 なんとか頑張らねば。

それでは本日も見て下さってありがとうございます。また明日もよろしくお願いします。 

 

(おしまい)